ここに居なくても、どうしようもないくらいここに居る
こんにちは。
今日、祖母を最後まで見送ることができました。
生まれて初めて、さっきまで生きていた身近な人が死に、死体となって、すごく冷たくなって、焼き場に入れられ、骨になる全ての過程を見ました。
おばあちゃん、なんでそんなに簡単に骨になっちゃったの?さっきまでそこで、穏やかな顔で寝てたよね?すっごく冷たくなってたけど、綺麗な顔で寝てたよね?
おばあちゃん、あんなに小さな壺の中に入っちゃった。
一昨日まで人間として生きていた。人生を共に過ごしてきた。
その人が骨になったら?この世界から生物としていなくなったら?
おばあちゃんが骨になって運ばれてきた時、私は生きることと死ぬことの違いがわからなくなりました。
居なくなったって、どうしようもないほどここに居る。
動かなくなって肉がなくなって骨になっただけでしょう。
もう姿を見られないし話せないし直接触れ合うことはできないけど、おばあちゃんは存在している。
それならこんなに簡単に骨にならないでよ。もっと荒い口調で叱ってよ。おばあちゃん、おじいちゃんに呼ばれたからってそんなに綺麗にスッと消えないでよ。
仲良しなんやから、しゃあないなぁ。おじいちゃん待ちきれへんかったんやなぁ。
今までの人生で最も大きな出来事でした。
おばあちゃんが教えてくれたこと、残してくれたこと、自分が生まれたことの奇跡に気づけたこと、大切にして生きていくよ。
自分が骨になる日に、笑っていられるように。
生きることと死ぬことの違いがわからないくらい、生を全うしたい。
立派な料理人になって美味しいもの食べさせてあげるから待っててね。大好きなお肉、上手に焼くから。失敗してもあんまり怒らんといてや。
骨になっても堂々と上を向いてまっすぐ前を見ていたおばあちゃん。おばあちゃんらしい姿を最後まで見せてくれたから、みんな泣いてんのに笑いながら安心してしもたやん。
おばあちゃんが永遠に幸せでありますように。
おじいちゃん、ほんまに今度は頼んだよ?笑
よく晴れた穏やかな日でした。